トヨタ・ショック

米国発の金融危機に端を発した世界同時不況と急激な円高により、現在、輸出に依存していた日本の自動車業界は、底の見えない低迷から抜け出す見通しが立っていません。
 
本日はちょうど、2008年度の最後の日。
見通し通りいけば、トヨタや日産など多くの自動車メーカーは、2009年3月末決算で多額の営業赤字を計上することになります。
そればかりか、部品などの関連企業でも同様の結果になるところが多いと思われます。
 
以前、仕事帰りに立ち寄った八重洲ブックセンターで面白そうな本を探していたところ、こんな状況を反映してか、自動車業界や自動車メーカーに焦点を当てた本が多数発行されており、けっこう平積みされていました。
このとき、大量に平積みされていたのが、以前本ブログで紹介した『俺は、中小企業のおやじ』(日本経済新聞出版)です(詳しくはこちら)。
 
このほかに目についたのは、やはりトヨタ関連の本です。
以前は、不況のときほどトヨタ関連本、とくに『トヨタ生産方式』(ダイヤモンド社)など、トヨタのモノづくりや経営のノウハウを紹介した本がよく売れると言われていました。
しかし、今回はどうでしょうか?
 
それはさておき、『俺は、中小企業のおやじ』を買ったとき、トヨタ関連本や自動車業界に関連した本も、新刊にこだわらずまとめ買っており、現在、せっせと読んでいます。
 
本ブログで紹介する本は、当分の間、このときまとめ買いした本が中心になるかと思いますが、今回紹介するのはこちら。
 
トヨタ・ショック
トヨタ・ショック』(講談社)です。
 
トヨタ・ショックという言葉が指しているものは、2009年3月期の連結決算で営業赤字に転落する見通しのこと。
1年前には過去最高の2兆3000億円の営業黒字(連結)が見込めると発表していた世界のトヨタをしても、今回は不況と円高の波をもろにかぶってしまい、赤字から逃れられないということです。
 
おそらく多くの日本人は、トヨタならこの最悪の経済環境のなかでも安定した経営をするというイメージを持っていたことでしょう。
しかし、結果はその逆。
減産措置によりトヨタで働く非正規労働者だけでなく、下請けや業界他社、さらには地域社会、などに深刻な影響を及ぼし、一企業だけの問題では済まない様相を呈しているのは皆さんもよくご存じのことかと思います。
 
編著者たちは取材を通して、トヨタで起きていること、トヨタ・ショックが日本経済や社会に与えた影響を多角的に検証し、トヨタの再生に不可欠な要素について言及しています。
 
そんな本書を読んで印象に残ったのは、トヨタはいつの間にか、急速な成長とグローバル化の拡大によって身の丈を超えてしまった、ということです。
 
低燃費な大衆車づくりが得意なはずのトヨタは、この数年、強欲な金融資本主義がもたらした米国のバブル景気に乗り、米国市場では人気があり利益率の高い大型ピックアップとSUV(スポーツ・ユーティリティー・ヴィークル)、そして高級車にかなりの経営資源を割きました。
自分たちの強みを生かした地道なモノづくりというより、利益優先に舵を切ったわけです。
企業である以上、利益を優先することはある意味当然のことですが、問題は、バブル崩壊の予兆があったにもかかわらず判断を誤り、拡大路線にブレーキをかけなかったことです。
輸出・現地生産ともに絶好調で、ビッグ3の凋落を尻目に勢力を拡大したものの、結局は世界同時不況と急激な円高で失速したトヨタ。
確かに、トヨタ・ショックは不況と円高が直接的な引き金になったのかもしれませんが、驕りが招いた人災だといえなくもなさそうです。
 
では、なぜ判断を誤ったのでしょうか?
それは、本書でも指摘していますが、トヨタでも大企業病が蔓延し、創業の原点である「現地・現物」が軽視されたためです。
 
トヨタではこれまで、一流大学を出ても机に座って仕事をするのではなく、現場に出て汗をかきやり遂げるまで挑戦する社員が育ち、彼らがトヨタを牽引してきました。
しかし、会社の成長とともに人事が硬直化、机上の論理だけで仕事をする頭でっかちな社員が増え、現場を軽視する社内風土が醸成されていきました。
つまり、人材が変質したわけで、これが今回のトヨタ・ショックに少なからず影響を与えたわけです。
 
トヨタは次期社長に、創業家出身の豊田章男副社長を内定しています。
正式就任は株主総会での承認を待つことになりますが、豊田次期社長には解決すべき課題が山積しています。
 
しかし、不況のときほど同族経営は強いとも言います。
トヨタの場合、同族経営という言葉が当てはまるかどうかわかりませんが、創業家から社長を出すことで社内の求心力を高め、その上で創業の原点に立ち返って不況からの立て直しを図るのでしょう。
 
本書を読むと、今後のトヨタはもちろん、これからの自動車業界、日本経済の針路を占う意味で、豊田次期社長に対する期待は計り知れないことを思わせます。

世界の名門サッカークラブFILE

先日、地元の書店で偶然、『世界の名門サッカークラブFILE』(学習研究社)という本を見つけ、買いました。
 
この本は、ヨーロッパを中心とした世界各国の主要クラブチームの情報をまとめたガイドブックです。
イングランド、イタリア、スペイン、ドイツ、についてはトップリーグの全チーム、日本に関してはJ1・J2の全チーム紹介がされています。
また、主要国の代表チームの情報についても紹介されています。
 
実は私、スポーツではサッカーが一番好きです。
とくにヨーロッパ、なかでもスペインのリーガ・エスパニョーラが一番好きです。
死ぬまでに一度は、バルサ(FCバルセロナ)の試合を、ホームスタジアムのカンプ・ノウで観たいものです。
サッカー話は今後、ときどで出てくると思いますので、楽しみにしていただければと思います。
 
しかし、サッカー好きとはいえ、普段からサッカーに関する書籍・雑誌を買うことは、ほとんどありません。
ではなぜ、今回に限りわざわざガイドブックのようなものを買ったかというと、サッカーを取り巻くスポーツビジネスの片鱗がうかがえる情報が掲載されていたからです。
 
その情報とは、各クラブチームのユニフォームのサプライヤーと、ユニフォームに表示されている広告スポンサーに関するものです。
 
この程度のことであれば、各クラブチームのオフィシャルサイトやスポンサーのサイトを丹念に見て調べればわかることですが、数が多い上にJリーグ以外はほとんどすべて外国語にしか対応していないので、日本語以外話せない・読めない私には理解するのが至難の業です。
この本から見えるスポーツビジネスはごくごく一部でしかありませんが、日本語で読めることが貴重だったので、その意味で価値がありました。
 
次回からしばらくの間、この本に記載されているデータで分析したこと、ではなく、感じたこと・思ったことをご紹介します(それほど大げさなものであありませんが……)。
 
ただし、この本はサーッと目を通しただけでも間違いがいくつかありました。
つくりが少々雑な印象が、どうしても否めません。
 
その間違いが何かを、皆さんも探しをしてみてください。

プロフィール

大澤裕司(yuji)

Author:大澤裕司(yuji)
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2005年から本格的に、ライター稼業で生計を立てています。
主な取材分野は技術開発、中小企業、モノづくり(生産技術、生産管理も含む)、IT活用、人材育成、など。
2008年8月には初の著書『これがドクソー企業だ』を上梓しました。

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